【要約】エッセンシャル思考 無駄のない賢い生き方・捉え方
こんなに頑張ってるのに…。結果が出ない。
やりたいことが多すぎて、集中できない。
こんな悩みを解決してくれるのがエッセンシャル思考。
読み終わる頃には「私、こんなことで悩んでたんだー」とか「なんか自分でもできそうな気がする」という自信もつき、思考も軽くなっているはず。
では、このエッセンシャル思考について解説していきます。
本を買ってじっくり読みたい、という方はここでストップ。
エッセンシャル思考
「やらなくては」「どれも大事」「全部できる」を捨てる
「やらなくては」やると決める。
「どれも大事」 大事なものは滅多にない。
「全部できる」 何でもできるが、全部はやらない。
より少なく、しかしより良く
エネルギーの使い所を必要最低限にすることで、一番重要な物事において最大の成果を上げることができる。
非エッセンシャル思考 | エッセンシャル思考 | |
---|---|---|
考え方 | みんな、すべて | より少なく、しかしより良く |
やらなくては。 | これをやろう。 | |
どれも大事だ。 | 大事なことは少ない。 | |
全部こなす方法は? | 何を捨てるべきか。 | |
行動 | やることを次々増やす | やることを計画的に減らす |
差し迫ったものからやる。 | 本当に重要なことを見定める。 | |
反射的に「やります」と言う。 | 大事なこと以外は断る。 | |
期限が迫ると根性でやる。 | あらかじめ障害を取り除いておく。 | |
結果 | 無力感 | 充実感 |
何もかも中途半端 | 質の高い仕事ができる。 | |
振り回されている。 | コントロールしている。 | |
何かがおかしい。 | 正しい事をやっている。 | |
疲れ切っている。 | 毎日を楽しんでいる。 |
PART1. エッセンシャル思考の基礎となる3つの考え方
選択
時間とエネルギーの使い道を選ぶことができるからこそ、トレードオフを引き受けることも必要になる。
自分で選ぶという最強の武器を手に入れる
行動を取捨選択できるようになると、全てが変わる。
- ひとつ上のレベルの生き方が手に入る。
- 不要なものを捨てる生き方は自由だ。
- 仕事や生活で最高のパフォーマンスが出せる。
- 世の中に最高の貢献ができるようになる。
他人の期待に合わせるのではなく、自分に正直に生きること。
人生は短い。残されたわずかな時間をどのように使いたいのか。
選択とは行動だ。
与えられるものではなく、掴み取るものだ。
選択肢が限られていたとしても、何を選ぶかはいつだって自分次第。
選ぶ能力は誰にも奪えない。ただ本人が手放してしまうだけだ。
ノイズ
世の中の大半がノイズであり、本当に重要なものは少ない。だから何が重要かを正しく見極めなくてはならない。
大多数のものは無価値である
「努力しただけ報われる」というのはただの幻想。
万物の大半はほとんど価値がなく、ほとんど成果を生まない。
少数のものだけが非常に役立ち、大きな影響力を持つ。
トレードオフ
トレードオフとは何かを手に入れるために、何かを犠牲にすること。
どうやって全部終わらせようかと考えるのではなく、どの問題が一番重要かと考える。
何かを選ぶことは何かを捨てること。
この現実を受け入れられない人は、中途半端になって結局あれもこれも失うことになる。
戦略的に、そして慎重に選び取るべきもの。
「何を諦めなくてはならないか?」ではなく、「何に全力を注ごうか?」と考える。
PART2. 見極める技術
選ぶ基準を明確にし、最初の見極めに力を入れる。
どうすれば最高の成果を出せるかを考える。
正しい事を、正しい時に、正しい方法でやるには基準を厳しくするしかない。
本当に重要な物事を見極めるために必要な5つのこと
立ち止まる時間こそが生産性を高めるための特効薬。
立ち止まる時間は無駄な寄り道ではなく、前に進むための最短コースを教えてくれる。
1. じっくりと考える余裕
多数の選択肢から重要な事を見分けるには、誰にも邪魔されない時間が必要。
あえて時間をとり、考えるためのスペースをつくること。
集中せざるを得ない状況に自分を置く。
生活がノイズで満ちてくればくるほど、静かに集中できるスペースが必要。
自分のための時間を確保することは人生の主導権を取り戻すこと。
2. 情報を集める時間
3. 遊び心
内なる子どもの声を聞くこと。遊びは素晴らしい恩恵をもたらしてくれる。
1.選択肢を広げてくれる。
- 気づかなかった可能性や、思いがけない繋がりに気づかせてくれる。
- 視野が広がり、常識にとらわれないやり方が見えてくる。
- 意識の流れが豊かになり、新たなストーリーを発見できる。
2.ストレスを軽減してくれる。
- ストレスは生産性を下げ、好奇心や創造性の働きを弱める。
- ミスを連発するのは、ストレスが脳に影響を与えるため。
3.脳の高度な機能を活性化する。
脳の実行機能である、計画、優先順位づけ、スケジューリング、予測、決断などに良い影響を与える。
4. 十分な睡眠
5. 何を選ぶかという厳密な基準
PART3. 捨てる技術
なんでも引き受けるのはなく、時には「NO!」と断ることも必要。
「どれを引き受けようか」ではなく「何にNO!と言うか」を考える。
ゴールを完全に明確にし、本質目標を決める
断固として上手に断る
大切な事を知っていれば、断ることができる。
上手にNO!と言う技術を身につける。
- 直接的でない表現を使う。
「声をかけてくれて嬉しいのですが、あいにく…」
「行きたいのは山々ですが、時間があるかどうか…」 - トレードオフに目を向ける。
ここで「イエス」と言ったら、「自分は何を失うのだろうか」と考える。
「もしもこれを選んだら、別のもっと価値のあることができなくなる」
ということを頭に入れておく。失うものを冷静に計算し、納得できる答えを出す。 - 誰もが何かを売り込んでいる。
相手がモノの見方や特定の意見を売り込んでいることもある。
相手が何を売り込もうとしているのか、自分はそれによって何を失うのかを意識して、より合理的な判断をしよう。 - 好印象よりも、敬意を手に入れる。
NO!と言うことで一時的に気まずくなることはあるが、それと引き換えに相手の敬意を手に入れられる。うまく依頼を断ることは、「自分の時間を安売りしない」というプロの証でもある。 - あいまいな「イエス」はただの迷惑。
あいまいにしておいて結局断るくらいなら、その場ですぐに断ろう。
断り方のレパートリーを増やす
- 代替案を出す。
「今は予定がびっしりなので。来月はいかがでしょう?」 - 予定を確認して折り返します。
一旦時間を置いて考えることで、自分のペースを保てる。 - どの仕事を後回しにしますか?
相手にトレードオフを意識させる。 - 肯定を使って否定する。
喜んで引き受けるふりをして、実は断るテクニック。
いくらかは力になりたいが、全面的に巻き込まれたくない時に使う。
「キッチンは使っても良いですよ。料理は手伝いませんが」 - 別の人を紹介する。
「私は無理ですが、彼は興味を示すんじゃないかな?」
非エッセンシャル思考
キャンセル
途中でやめることはなぜ難しいのか。
- サンクコスト(埋没費用)バイアス
お金を払えば払うほどやめられなくなる。すでに支払ってしまったという理由だけで、損な取引に手を出し続ける心理的傾向。 - 授かり効果
わざわざ買おうと思わないものでも、一度所有してしまうと失うのが怖くなってしまう心理的傾向。
仕事も同じ。行動やプロジェクトが「自分のもの」と感じる時、そこから離れることが難しくなる。 - 現状維持バイアス
いつもやってるからという理由で、それをやめられない傾向。
当たり前のようにそこにあるものを人は無条件に受け入れる。 - 靴に足を合わせる心理
自分に合わないとわかっているのに、認めたくない。
自分ではない誰かになろうとする。
上手に手放すテクニック
- 「もったいない」を克服する。
使わなければもったいないと思うのはごく自然なことだが、その気持ちに流されると、すでに支払った無駄だけでなく、さらなる無駄を生むことになる。 - 失敗を認め、成功に向かう。
自分の失敗を認めた時、初めて失敗が経験に変わる。
失敗した事実を否定する人は、決してそこから抜け出せない。 - 第三者の意見を聞いてみる。
- ゼロベースで考える。
まっさらな状態から、時間やお金、エネルギーの使い方を改めて考える。
惰性で続けていることは、すぐにやめるべき。 - よく考えもせず、流れで何でも引き受けるのをやめる。
- 大抵の人は損をするのが嫌い。得をしたいと思っている。
- 逆プロトタイプ。
「プロトタイピング」とは「プロトタイプ=大まかなモデル」を作成し、本格的に取り組む価値があるかどうかを試してみるやり方。やめる時にもこれが応用できる、完全撤廃する前に、簡単な形で試してみるというやり方。
顧客や友人、家族のために苦労してやっていたことが、実は相手にとって何の意味もなかったということもあるかもしれない。試しにその行動をやめるか、簡素化する。しばらく様子を見て、特に誰も困らないようなら、やめてしまった方がいい。
非エッセンシャル思考
線引き
一線を引くことで自分の時間を守り、他人からの余計な干渉を防ぐ。
はっきりとした線引きがなければ、他人はどこまでも侵略してくる。
いちいち対応していたら、自分の大切なものが見えなくなってしまう。
非エッセンシャル思考
面倒くさい人たちと一線を画す
- 他人の問題を横取りしない。
人助けが悪いとは言わないが、本人が解決すべき問題を肩代わりするのは、人助けではない。
本人の解決すべき問題は、本人に解決させる。それが自分のためであり、相手のためである。 - 境界線を引いて自由になる。
明確な境界線を引くことで、自分の領域を好きなだけ使えるようになる。
時間やエネルギーを他人に吸い取られる前に、頑丈な塀をたてる。 - 自分の境界線を知る。
他人に侵害された、イラっとした出来事が境界線のヒント。 - 難しい相手とは契約を結ぶ。
仕事を始める前に、自分が何を優先するか、何が妥協できて、何ができないか、ここは譲れないという線をお互い引く。目指すものと、譲れない線が明らかになれば、相手に間違ったことを期待しなくて済む。
相手が嫌がる要求は未然に防げるし、重要なことの邪魔をして機嫌を損ねることもない。
PART4. 仕組み化の技術
人は楽をしようとする。だから努力と根性でやり遂げるのではなく、何の苦労もなくスムーズに行動できるように、仕組み化が大切になってくる。
最悪の事態を想定し、バッファ(緩衝)を取る
非エッセンシャル思考
仕事を減らし、成果を増やす
非エッセンシャル思考
成果を生まない努力をやめる
- 目指すことを明確にする。
最終的にどこに辿り着きたいのか? - ボトルネックを特定する。
この仕事をやり遂げる上で、邪魔になるものは何か?
完璧主義を捨てて、「完璧を目指すより、終わらせることが大事」と考える。
小さな一歩を積み重ねる
非エッセンシャル思考
- 「日々のささやかな進歩」がやる気を引き出し、高いパフォーマンスを可能にする。
- 小さな改善を地道に繰り返すことが、大きな変化につながる。
- 完璧を目指すよりまず終わらせる。完成させるのではなく、解放(リリース)する。
- 最後の最後で全てやろうとするのではなく、できるだけ早い時期に着手し、軽い負担で終わらせること。
習慣
本質的な行動を無意識化する。
非エッセンシャル思考
正しい習慣がクリエイティビティを生む
習慣化の仕組み
同じことを繰り返し実行することにより習慣が確立され、行動が脳に刷り込まれる。
どんなことでも何度も反復することでどんどん簡単になっていく。
習慣化することで脳の活動はどんどん小さくなり、ほぼ停止している状態になる。
そのおかげで脳の活動を別のことに使えるようになる。
正しく使えば、習慣は創造性やイノベーションを実現するためのエネルギーを与えてくれる。
悪い癖を正しい習慣に変える方法
日々の判断の4割は無意識化で行われている。
良い面を見れば、面倒な思考プロセスを飛ばして直感的に有意義な行動ができるというメリットがあるが、逆に朝起きてすぐSNSを見るなど非生産的な行動が無意識に刷り込まれてしまう危険もある。
行動を引き起こすトリガーを知る
習慣の3つの要素
- トリガー
ある行動を自動的に呼び起こすためのきっかけ - 行動
肉体の動作のほか、感情や思考も含む。 - 報酬
この習慣を繰り返したいと思うようなご褒美。
これらの3つの要素が繰り返されることによって、トリガーと報酬はより強く脳に刷り込まれ、行動はより自動的になっていく。つまり、悪い習慣を変えるには、行動自体よりも、それを引き起こすトリガーに着目し、新しい行動をやり続けることが大切。
トリガーと行動の新しい結びつきが脳にだんだん定着していくと、新しい行動が習慣化し、無意識のうちに新しい行動が引き起こされるようになる。
新しいトリガーを作る。
日記を毎日書く習慣をつけるとしたら…
トリガー…いつも使うバッグの中に日記帳を入れておく。→明日の準備をする際に取り出す。
難しいことから手をつけ、一気にたくさんの習慣を変えようとしない。
1日の最初、たとえば午前中に最難関の課題を片付ける癖をつける。
そして、一気に全て変えようとせず、まずは一つだけ新しい習慣を始めてみよう。
集中
非エッセンシャル思考
エッセンシャル思考の人は「今、この時」を生きているから、目の前の仕事に全力で没頭できる。
余計な考えにエネルギーが奪われることもない。
持てる力の全てをかけてこそ、偉大な仕事が可能になる。
【マルチタスクの弊害】
人は同時に複数のことをやることができるが、人は一度に一つのことにしか集中できない。
複数のことをやるのは構わないが、集中の対象がどれなのかはハッキリさせておく必要がある。
今ここを生きるテクニック
- 最高の力を発揮するために、「今何が重要か」を考える。
やることが多すぎて何から手をつけたらいいかわからなくなったら、
考えるのをやめて、「今だけを見る」今すぐやること以外全て消す。 - 未来を頭の中に抱えない。
「今すぐ必要ないけど重要なこと」は紙に書き出す。 - 優先順位をつける。
優先順位に番号をふり、順番に片付けて行く。
まとめ
シンプルで意味のある生き方をする。
必要なもの、本物を見分け、人生の問題をシンプルにする。
「より少なく、しかしよりよく」を生き方として貫く。
エッセンシャル思考を生きる人は、周囲の人と同化しない。
人がイエスと言う時、ノーと言う。
人が行動する時、考える。
人が喋る時、耳を傾ける。
人がストレスとカオスの渦中にいる時、豊かで充実した暮らしを送っている。
この情報と雑音とストレスと虚栄に満ちた世の中にあって、
エッセンシャル思考を生きることは、静かな革命である。
日々やることは減っていき、生み出すものはどんどん豊かになっていく。
大切なのは「選ぶ」ということ。周囲に流されず、自分自身の選択をする。それは実に自由な体験だ。
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